市役所や区役所では法律相談を実施しています。無料で利用できるほか、弁護士事務所を訪ねるよりも緊張感も少なく済むというメリットもあります。
ただ、そうしたメリットがある一方で、必ずしも離婚問題に強い弁護士に相談できるわけではなかったり、利用できる時間が限られる、などのデメリットもあります。
そこで今回は、離婚相談を市や区の役所でするメリットやデメリット、役所以外で離婚問題に長けた弁護士に無料で相談できる方法などを紹介していきます。
あわせて、少ない時間の中で効率的に無料法律相談を活用するためのポイントも紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
離婚相談を市や区の役所で行なうメリット
お住まいの市区町村の役所の中には、決められた曜日・時間帯に弁護士への無料法律相談が可能なところもあります。
ここでは各役所で離婚相談を行なうメリットについてみていきましょう。
無料で気軽に相談が可能
市や区の役所で実施している法律相談は、基本的に無料で利用できます。
また、法律相談の開催場所も市や区の役所内、もしくは市民ホールなどの施設なので、弁護士事務所を訪ねて相談するよりも緊張せずに済みます。
法律以外のことも相談可能
これは公的機関ならではともいえますが、市役所や区役所の場合、離婚後の生活に関する支援など、法律以外の面でも気になっていることを相談することが可能です。
また専門の相談員がいる場合は、お子さんのことについても相談可能です。
離婚相談を市や区の役所で行なうデメリット
残念ながら世の中のほとんどのことにはメリットがあればデメリットもあります。
ここからは市や区の役所で離婚について相談する場合に頭に入れておきたいデメリットについて紹介していきます。
基本的に平日の昼間だけしか利用できない
市や区の役所での法律相談は、役所が開館している時間帯のみ、つまり平日の昼間だけ利用可能、としているケースがほとんど。
お住まいの地区によっては市民ホール等の施設で夜まで相談を受け付けてくれるところもありますが、そうした場所はかなり少ないのが現状です。
基本的には平日昼間に行くことができない人にとっては利用が難しいと考えた方がいいでしょう。
相談する弁護士を自分で選ぶことができない
市や区の役所で法律相談を利用する場合、相談相手となってくれる弁護士を自分で選ぶことができないのがデメリットのひとつと言えます。
つまり、離婚トラブルに精通している弁護士に必ず相談できるとは限らないということです。せっかく時間をかけて相談しに行くなら、できればより専門的な知識を持っている人の方がいいですよね。
また、ほとんどの弁護士は限られた相談時間の中で可能な限りの対応をしてくれるのですが、残念なことに、中にはやる気が感じられなかったり心ないことを言う弁護士に当たるケースもゼロではないようです。
夫婦関係で抱えた辛い気持ちに追い討ちをかけるようなことを言われたら辛いですよね。
とはいえ、そのような弁護士はごく一部で、出会うことはかなり稀といえます。
まずは離婚へ向けた足掛かりとして、市や区の役所の無料法律相談をたずねてみても良いのではないでしょうか。
そして利用してみた中で、より深く掘り下げた相談がしたいと感じるようであれば、次に挙げる方法を試してみるのもアリでしょう。
離婚問題に強い弁護士に無料で相談する方法
市や区の役所で実施している無料法律相談以外に、できれば離婚問題に長けた弁護士に相談する方法はあるのでしょうか。
ここでは2つの方法について紹介していきます。
離婚問題に強い弁護士をインターネットで探して相談する
ひと口に弁護士といっても、各々の弁護士にこれまでの経歴や強みとなる分野があります。
数多いる弁護士の中から、あなたの悩みである離婚問題に強い弁護士を探す手段として最も手軽な方法は、やはりインターネットでの検索ではないでしょうか。
ただ、やはりインターネットを利用する場合は便利である反面、地域などで絞ってもやはり情報量は多くなってきます。
結局どの弁護士事務所がいいのか、相談先を決めきれない、という事態にもなりかねないのが悩みどころです。
そんな時にオススメできるのが『離婚弁護士ナビ』というポータルサイト。
離婚問題に関する実績を持っている弁護士の情報だけに特化したサイトである上に、その中でもさらに不倫による慰謝料や財産分与、養育費といった細かな相談内容ごとに絞って検索できる点も魅力です。
また、無料相談を実施しているかや、平日昼間・夜間といった相談可能な時間帯を始めとしたニーズ別に沿った検索もできるので、かなり便利だといえるでしょう。
なお、ここで弁護士に話を聞いてもらったとしても、その後必ず依頼しなければならない、という義務もありません。
なので、『離婚弁護士ナビ』から候補を探して、無料相談を実施している弁護士事務所なら、まずは相談するところから始めてみてもいいでしょう。
法テラスを利用する
区や市の役所以外の公的機関で、無料の法律相談を行なっているのが「法テラス」です。
法テラスの場合、パートナーのものを含まないあなただけの収入が一定以下、といったものを始めとした各種条件を満たした場合、同じ相談内容で3回まで、無料で弁護士に話を聞いてもらうことができます。
そして、無料相談を担当してくれた弁護士さんにそのまま依頼したいという願いも、審査が通れば叶います。
また、弁護士費用の立替制度を利用できる場合もあるので、特に費用の面で弁護士への相談・依頼をためらっている人にとっては嬉しい制度といえます。
ただし、法テラスでの相談の場合も市・区役所と同様に、自分で弁護士を選ぶことができないというデメリットがあります。
離婚するなら、可能な限り自分の希望に沿った条件でしたいですよね。
もし費用面での心配を何とかクリアできそうなら、自分自身で弁護士を選んで相談することをオススメします。
離婚問題で無料法律相談を利用する際、最大限に活用するためのポイントは?
弁護士への無料法律相談は、大体30分程度と短い時間しか利用できないことがほとんど。
限られた時間の中で相談したいこと、必要なアドバイスを可能な限り得るためには、事前に次の3つの項目をまとめておきましょう。
- 離婚問題についてどんな解決を望んでいるか(慰謝料や財産分与、親権の獲得など)
- 解決に向けてどんな相談をしたいか(慰謝料獲得のための手順、親権獲得を有利に進める方法など)
- 現在のあなたの状況(離婚を切り出しているか、同居中か、不倫の慰謝料請求なら証拠を持てているかなど)
なお、たとえば財産分与や養育費・慰謝料請求を目指しているなら、パートナーとあなた両方の収入・現在抱えている負債などがわかるようなものを用意する。
パートナーの不倫に関する慰謝料を請求したい場合は、婚姻期間や子どもがいるかいないかといった夫婦に関することと、不貞行為の証拠をまとめておく。
自身が不倫で慰謝料を請求されている場合は、請求された際の内容証明などを用意しておく。
といった、相談内容に応じた資料も合わせて持参すると良いでしょう。
また、不倫の場合など、夫婦やお子さん以外の人物が関わっている場合は、相談内容に関連する人物や時系列、出来事などを整理しておくと良いでしょう。
無料相談を活用して離婚の悩みを解決しよう!
今回は区役所や市役所での離婚相談に関するメリットやデメリット、役所以外での無料法律相談の手段、そして無料相談を活用する際のコツについて紹介してきました。
離婚は人生の中でもかなり大きな決断を要するものです。その後の人生を左右することにもなりますので、可能な限り後悔の少ない方法を取りたいですよね。
そのためにも、まずは足掛かりとして区役所や市役所など、無料でコンタクトしやすい法律相談を活用してみましょう。さらに深掘りしたい場合は、弁護士事務所や法テラスなどを利用してみるのもいいですね。
あなたの門出がうまく行くように、本記事が参考になれば幸いです。